みんなX(旧Twitter)とかで「今日は雇用統計だ!」って盛り上がってるけど、一体なんのことなの?
雇用統計とは、毎月第1金曜日の日本時間21:30(4月〜10月)、22:30(11月〜3月)に発表されるアメリカの経済指標のこと。
もちろん他の国にも雇用統計自体はあるのですが、FXではアメリカのものを意味することが多いです。
以下、雇用統計の2024年のスケジュール・事前予想の方法・これまでの結果・戦略についても解説します!
雇用統計とは?FXでの影響は?
「雇用統計」と言ってもさまざまな項目があり、主に以下の指標を総合したものを指します。
- 失業率(←重要!)
- 非農業部門雇用者数(←重要!)
- 建設業就業者数
- 製造業就業者数
- 小売業就業者数
- 金融機関就業者数
- 週労働時間
- 平均時給 など
たくさん項目がありますが、雇用統計で特に注目すべきは「非農業部門雇用者数」と「失業率」。
主に「非農業部門雇用者数」と「失業率」の結果により、毎月米ドルの為替レートが一気に乱高下します。
私たちFXトレーダーにとっては、絶好のチャンスってわけですね
経験をある程度積んだ投資家たちは、みんな毎月第1金曜日の雇用統計発表前は飲み歩いたりせず、チャートの前で正座待機しています(たぶん)。
米ドル/円の今現在の為替チャートや今後の見通しなどについては、「米ドル/円(USD/JPY)の為替見通し・予想」も参考にしてみてくださいね。
雇用統計 事前予想の確認・FX戦略を立てる方法
雇用統計では、単に発表結果で為替レートが上下するのではなく、事前予想との差によって大きく変わります。
「事前予想ではマイナスだったが、結果はプラス」というサプライズがあった場合、さらに大きく変動します。
例えば2016年6月の雇用統計発表時は、非農業部門雇用者数が市場予想の+16.0万人を大幅に下回る+3.8万人という結果(後ほどの一覧表参照)だったため、わずか数分の間に2円近くも下落しました。
雇用統計時にトレードする際は、事前予想もチェックしておきましょう!
事前予想って、どこでどうやって確認したらいいの?
外為どっとコムでは、雇用統計発表直前からYouTubeでライブ配信をしてくれているので、そちらで確認すると便利です。
また、外為どっとコムでは利用者の売買比率やポジション比率も確認できるため、他のトレーダーが雇用統計でどんな予想をしてどんな仕込みをしているかを確認することも可能!
他の人たちの戦略が分かるのは、事前準備にめっちゃ便利ですね!
さらに、外為どっとコムのニュース配信は非常に早く、雇用統計の結果自体もイチ早く知ることができます。
雇用統計の結果は他のFX会社のニュース配信でも確認できるのですが、配信に数秒のズレが生じます。外為どっとコムはロイターと契約しているため、経済指標の発表が日本最速ともいわれているんですよ。
雇用統計の事前準備や結果発表時には、外為どっとコムをうまく使うと便利です。
また、雇用統計の事前予想をチェックする際、意外とX(旧Twitter)も役立ちます。
プロトレーダーや為替アナリストの方々が予想をつぶやいてくれているので、雇用統計の発表前に確認してみるのがおすすめですよ。
情報収集におすすめのXアカウントは、「FXの人気X(旧Twitter)アカウント」で紹介しています。
雇用統計発表時に関わらず、アメリカの大統領 トランプ氏のXアカウントはフォローしておくのがおすすめ!バクダン発言をツイートし、米ドルの相場が急変することもしばしばあります。
2018年6月の結果発表前には、トランプ大統領がLooking forward to seeing the employment numbers at 8:30 this morning.
(雇用統計が楽しみだ)とXに投稿をして波紋を呼びました。
その後発表された雇用統計結果は、失業率は低水準、非農業部門雇用者数は増加し、事前予想を大きく上回りました。
発表前に数字を匂わせちゃうとは何事でしょうね(すかさずトランプ氏をフォローしたのは内緒だ)!
TRUMP SAYS BIG NUMBER COMING OUT FRIDAY ON JOBS
— Trading News (@4xInsight) August 4, 2020
また、こちらはトランプ大統領が直接投稿したわけではないですが、2020年8月の結果発表前にも同様の発言をしています。
米国・雇用統計の結果 過去の推移(2015年〜2024年)
「非農業部門雇用者数(前月比)」の推移
年 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024 | 35.3 | 27.5 | 30.3 | 17.5 | 27.2 | 20.6 | 11.4 | 14.2 | 25.4 | 1.2 | ||
2023 | 51.7 | 31.1 | 23.6 | 25.3 | 33.9 | 20.9 | 18.7 | 18.7 | 33.6 | 15.0 | 19.9 | 21.6 |
2022 | 46.7 | 67.8 | 43.1 | 42.8 | 39.0 | 37.2 | 52.8 | 31.5 | 26.3 | 26.1 | 26.3 | 22.3 |
2021 | 4.9 | 37.9 | 91.6 | 26.6 | 55.9 | 85 | 94.3 | 23.5 | 19.4 | 53.1 | 21 | 19.9 |
2020 | 22.5 | 27.3 | -70.1 | -2050 | 250.9 | 480 | 176.3 | 137.1 | 66.1 | 63.8 | 24.5 | -14 |
2019 | 30.4 | 2.0 | 19.6 | 26.3 | 7.5 | 22.4 | 16.4 | 13.0 | 13.6 | 12.8 | 26.6 | 14.5 |
2018 | 20.0 | 31.3 | 10.3 | 16.4 | 22.3 | 21.3 | 15.7 | 20.1 | 13.4 | 25.0 | 15.5 | 31.2 |
2017 | 22.7 | 23.5 | 9.8 | 21.1 | 13.8 | 22.2 | 20.9 | 15.6 | -3.3 | 26.1 | 22.8 | 14.8 |
2016 | 15.1 | 24.2 | 21.5 | 16.0 | 3.8 | 28.7 | 25.5 | 15.1 | 15.6 | 16.1 | 17.8 | 15.6 |
2015 | 25.7 | 29.5 | 12.6 | 22.3 | 28.0 | 22.3 | 21.5 | 17.3 | 14.2 | 27.1 | 21.1 | 29.2 |
こちらの指標は「雇用者数」ですので、数字が高いほど景気が良いと判断されます。
雇われている人が多い=景気が良いってわけですね
「失業率」の推移
年 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024 | 3.7 | 3.9 | 3.8 | 3.9 | 4.0 | 4.1 | 4.3 | 4.2 | 4.1 | 4.1 | ||
2023 | 3.4 | 3.6 | 3.5 | 3.4 | 3.7 | 3.6 | 3.5 | 3.8 | 3.8 | 3.9 | 3.7 | 3.7 |
2022 | 4.0 | 3.8 | 3.6 | 3.6 | 3.6 | 3.6 | 3.5 | 3.7 | 3.5 | 3.7 | 3.7 | 3.5 |
2021 | 6.3 | 6.2 | 6.0 | 6.1 | 5.8 | 5.9 | 5.4 | 5.2 | 4.8 | 4.6 | 4.2 | 3.9 |
2020 | 3.6 | 3.5 | 4.4 | 14.7 | 13.3 | 11.1 | 10.2 | 8.4 | 7.9 | 6.9 | 6.7 | 6.7 |
2019 | 4.0 | 3.8 | 3.8 | 3.6 | 3.6 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.5 | 3.6 | 3.5 | 3.5 |
2018 | 4.1 | 4.1 | 4.1 | 3.9 | 3.8 | 4.0 | 3.9 | 3.9 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.9 |
2017 | 4.8 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.2 | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
2016 | 4.9 | 4.9 | 5.0 | 5.0 | 4.7 | 4.9 | 4.9 | 4.9 | 5.0 | 4.9 | 4.6 | 4.7 |
2015 | 5.7 | 5.5 | 5.5 | 5.4 | 5.5 | 5.3 | 5.3 | 5.1 | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
もちろん失業率は、数字が低いほうが景気が良いと判断されます。
アメリカでは日本のような「終身雇用」「正社員」という考え方があまりないため、雇用状況にすぐに景気の良し悪しが反映される場合が多いのです。
日程をチェック!2024年の雇用統計発表スケジュール
以下、2024年の雇用統計発表スケジュールです。
発表日 |
---|
2024年1月5日 (金) |
2024年2月2日 (金) |
2024年3月8日 (金) |
2024年4月5日 (金) |
2024年5月3日 (金) |
2024年6月7日 (金) |
2024年7月5日 (金) |
2024年8月2日 (金) |
2024年9月6日 (金) |
2024年10月4日 (金) |
2024年11月1日 (金) |
2024年12月6日 (金) |
なお、過去の雇用統計は下記の日程で発表されました。
発表日 |
---|
2023年1月6日 (金) |
2023年2月3日 (金) |
2023年3月10日 (金) |
2023年4月7日 (金) |
2023年5月5日 (金) |
2023年6月2日 (金) |
2023年7月7日 (金) |
2023年8月4日 (金) |
2023年9月1日 (金) |
2023年10月6日 (金) |
2023年11月3日 (金) |
2023年12月8日 (金) |
発表日 |
---|
2022年1月7日 (金) |
2022年2月4日 (金) |
2022年3月4日 (金) |
2022年4月1日 (金) |
2022年5月6日 (金) |
2022年6月3日 (金) |
2022年7月8日 (金) |
2022年8月5日 (金) |
2022年9月2日 (金) |
2022年10月7日 (金) |
2022年11月4日 (金) |
2022年12月2日 (金) |
発表日 |
---|
2021年1月8日 (金) |
2021年2月5日 (金) |
2021年3月5日 (金) |
2021年4月2日 (金) |
2021年5月7日 (金) |
2021年6月4日 (金) |
2021年7月2日 (金) |
2021年8月6日 (金) |
2021年9月3日 (金) |
2021年10月8日 (金) |
2021年11月5日 (金) |
2021年12月3日 (金) |
発表日 |
---|
2020年1月10日 (金) |
2020年2月7日 (金) |
2020年3月6日 (金) |
2020年4月3日 (金) |
2020年5月8日 (金) |
2020年6月5日 (金) |
2020年7月2日 (木) |
2020年8月7日 (金) |
2020年9月4日 (金) |
2020年10月2日 (金) |
2020年11月6日 (金) |
2020年12月4日 (金) |
確かに、場合によっては第1金曜日じゃないこともあるので注意が必要ですね
雇用統計発表時にFX取引する際の注意点
雇用統計発表時は、スリッページが起こりやすく、スプレッドも広がりやすいので要注意です。
2018年3月に矢野経済研究所が調査したところ、雇用統計発表時に約定率が100%のFX会社はサクソバンク証券だけだったという衝撃的な結果となりました。
この調査は、値動きが激しくなる3月の米国雇用統計発表時(日本時間2018年3月10日22時30分前後)に合わせて行われた。
調査対象は、ナロースプレッドでレートを提供している有力FX会社4社。調査の方法はマーケット注文(ストリーミング)で、1取引あたり10万通貨単位の米ドル/円、ユーロ/米ドルを、買(新規)⇒売(決済)、売(新規)⇒買(決済)の両建てで繰り返すというもの。
スリッページは1pipに設定し、各社共、ペアごとに66回ずつ取引を行い、雇用統計の指標発表時を基準に、発表前30秒、発表後の3分間と6分間に区分し、発表前30秒と発表後3分間は約定率と配信レートを、発表前30秒と発表後3分間、6分間は約定率を調査した。
その結果、すべての取引で約定率が100%だったのはサクソバンク証券1社だけだった。
また、スプレッドも「0.3銭原則固定」の業者より狭かったことが分かっています。
実は「スプレッド原則固定」の業者がスプレッドを固定しているのは、あくまで「原則」。
雇用統計発表時のように為替レートが急激に変動している場合、スプレッドが大きく開いている可能性があるのです。
ただし!大きなトレンドが発生しているときにヘタに手を出すと、大やけどする可能性もあります。
雇用統計発表時は、欲張って新たにポジションを保有するのは避けておくのがおすすめですよ。
米国・雇用統計まとめ
- 雇用統計とは、毎月第1金曜日に発表されるアメリカの重要指標のこと
- 「非農業部門雇用者数」と「失業率」が特に注目度が高い
- 情報取集は外為どっとコムが便利
雇用統計以外の経済指標やその活用法については、「FXの経済指標・イベントカレンダー」をご覧ください。