
みんなTwitterとかで「今日は雇用統計だ!」って盛り上がってるけど、一体なんのことなの?
雇用統計とは、毎月第1金曜日の日本時間21:30(4月〜10月)、22:30(11月〜3月)に発表されるアメリカの経済指標のこと。
もちろん他の国にも雇用統計自体はあるのですが、FXではアメリカのものを意味することが多いです。
以下、雇用統計の事前予想の方法・トレード手法・これまでの推移についても解説します!
雇用統計とは?FXでの影響は?
「雇用統計」と言ってもさまざまな項目があり、主に以下の指標を総合したものを指します。
- 失業率(←重要!)
- 非農業部門雇用者数(←重要!)
- 建設業就業者数
- 製造業就業者数
- 小売業就業者数
- 金融機関就業者数
- 週労働時間
- 平均時給 など
たくさん項目がありますが、雇用統計で特に注目すべきは「非農業部門雇用者数」と「失業率」。
主に「非農業部門雇用者数」と「失業率」の結果により、毎月米ドルの為替レートが一気に乱高下します。

私たちFXトレーダーにとっては、絶好のチャンスってわけですね
経験をある程度積んだ投資家たちは、みんな毎月第1金曜日の雇用統計発表前は飲み歩いたりせず、チャートの前で正座待機しています(たぶん)。
【FXあるある】
会社の飲み会が第一金曜だと軽く絶望🤮
— FXトレードNEWS (@FX_TNews) 2019年6月6日
米ドル/円の今現在の為替チャートや今後の見通しなどについては、「米ドル/円(USD/JPY)の為替見通し・予想」も参考にしてみてくださいね。
雇用統計 事前予想の確認・FX戦略を立てる方法
雇用統計では、単に発表結果で為替レートが上下するのではなく、事前予想との差によって大きく変わります。
「事前予想ではマイナスだったが、結果はプラス」というサプライズがあった場合、さらに大きく変動します。
例えば2016年6月の雇用統計発表時は、非農業部門雇用者数が市場予想の+16.0万人を大幅に下回る+3.8万人という結果(先ほどの一覧表参照)だったため、わずか数分の間に2円近くも下落しました。
雇用統計時にトレードする際は、事前予想もチェックしておきましょう!

事前予想って、どこでどうやって確認したらいいの?
外為どっとコムでは、雇用統計発表前日に直前解説動画を配信してくれています。上の動画は、2021年2月(2021年1月分)の発表直前のものです。
また、雇用統計発表時には、ライブ配信もしてくれています。
その他、外為どっとコムでは利用者の売買比率やポジション比率も確認できるため、他のトレーダーが雇用統計でどんな予想をしてどんな仕込みをしているかを確認することも可能!

他の人たちの戦略が分かるのは、事前準備にめっちゃ便利ですね!
さらに、外為どっとコムのニュース配信は非常に早く、雇用統計の結果自体もイチ早く知ることができます。
雇用統計の結果は他のFX会社のニュース配信でも確認できるのですが、配信に数秒のズレが生じます。外為どっとコムはロイターと契約しているため、経済指標の発表が日本最速ともいわれているんですよ。
雇用統計の事前準備や結果発表時には、外為どっとコムをうまく使うと便利です。
また、雇用統計の事前予想をチェックする際、意外とTwitterも役立ちます。
プロトレーダーや為替アナリストの方々が予想をつぶやいてくれているので、雇用統計の発表前に確認してみるのがおすすめですよ。
情報収集におすすめのTwitterアカウントは「FXの情報収集におすすめ!人気Twitterアカウント」で紹介しています。
雇用統計発表時に関わらず、アメリカの前大統領 トランプ氏のTwitterアカウントはフォローしておくのがおすすめ!バクダン発言をツイートし、米ドルの相場が急変することもしばしばあります。
2018年6月の結果発表前には、トランプ大統領がLooking forward to seeing the employment numbers at 8:30 this morning.
(雇用統計が楽しみだ)とTwitterに投稿をして波紋を呼びました。
その後発表された雇用統計結果は、失業率は低水準、非農業部門雇用者数は増加し、事前予想を大きく上回りました。

発表前に数字を匂わせちゃうとは何事でしょうね(今後のためにすかさずトランプ氏をフォローしたのは秘密だ)!
TRUMP SAYS BIG NUMBER COMING OUT FRIDAY ON JOBS
— Trading News (@4xInsight) August 4, 2020
また、こちらはトランプ大統領が直接ツイートしたわけではないですが、2020年8月の結果発表前にも同様の発言をしています。
米国・雇用統計 過去の推移 2015年〜2021年
「非農業部門雇用者数(前月比)」の推移
年 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 4.9 | |||||||||||
2020 | 22.5 | 27.3 | -70.1 | -2050 | 250.9 | 480 | 176.3 | 137.1 | 66.1 | 63.8 | 24.5 | -14 |
2019 | 30.4 | 2.0 | 19.6 | 26.3 | 7.5 | 22.4 | 16.4 | 13.0 | 13.6 | 12.8 | 26.6 | 14.5 |
2018 | 20.0 | 31.3 | 10.3 | 16.4 | 22.3 | 21.3 | 15.7 | 20.1 | 13.4 | 25.0 | 15.5 | 31.2 |
2017 | 22.7 | 23.5 | 9.8 | 21.1 | 13.8 | 22.2 | 20.9 | 15.6 | -3.3 | 26.1 | 22.8 | 14.8 |
2016 | 15.1 | 24.2 | 21.5 | 16.0 | 3.8 | 28.7 | 25.5 | 15.1 | 15.6 | 16.1 | 17.8 | 15.6 |
2015 | 25.7 | 29.5 | 12.6 | 22.3 | 28.0 | 22.3 | 21.5 | 17.3 | 14.2 | 27.1 | 21.1 | 29.2 |
こちらの指標は「雇用者数」ですので、数字が高いほど景気が良いと判断されます。

雇われている人が多い=景気が良いってわけですね
「失業率」の推移
年 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 6.3 | |||||||||||
2020 | 3.6 | 3.5 | 4.4 | 14.7 | 13.3 | 11.1 | 10.2 | 8.4 | 7.9 | 6.9 | 6.7 | 6.7 |
2019 | 4.0 | 3.8 | 3.8 | 3.6 | 3.6 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.5 | 3.6 | 3.5 | 3.5 |
2018 | 4.1 | 4.1 | 4.1 | 3.9 | 3.8 | 4.0 | 3.9 | 3.9 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.9 |
2017 | 4.8 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.3 | 4.4 | 4.2 | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
2016 | 4.9 | 4.9 | 5.0 | 5.0 | 4.7 | 4.9 | 4.9 | 4.9 | 5.0 | 4.9 | 4.6 | 4.7 |
2015 | 5.7 | 5.5 | 5.5 | 5.4 | 5.5 | 5.3 | 5.3 | 5.1 | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
もちろん失業率は、数字が低いほうが景気が良いと判断されます。
アメリカでは日本のような「終身雇用」「正社員」という考え方があまりないため、雇用状況にすぐに景気の良し悪しが反映される場合が多いのです。
なお、2021年2月(2021年1月分)の雇用統計のハイライトは、下記の通りです。
5日発表の1月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比4万9000人増と市場予想(5万人増)に届かなかった。市場では「雇用の回復遅れで、むしろ大規模な追加経済対策が必要との認識が強まる」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声があった。雇用統計では失業率は市場予想以上に低下したうえ、今週は良好な経済指標の発表も多かったため、悪材料視されなかった面もあった。
日程をチェック!2021年の雇用統計発表スケジュール
2021年の雇用統計結果発表スケジュールです。
時間は全て日本時間で表記していますが、アメリカの夏時間・冬時間の関係で発表時間は21:30(4月〜10月)、22:30(11月〜3月)※の2パターンがあります。
発表日 | 発表時間 |
---|---|
2021年1月8日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2021年2月5日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2021年3月5日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2021年4月2日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年5月7日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年6月4日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年7月2日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年8月6日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年9月3日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年10月8日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2021年11月5日 (金) | 22:30 (夏時間)※ |
2021年12月3日 (金) | 22:30 (冬時間) |
なお、2020年の雇用統計は下記の日程で発表されました。
発表日 | 発表時間 |
---|---|
2020年1月10日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2020年2月7日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2020年3月6日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2020年4月3日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年5月8日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年6月5日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年7月2日 (木) | 21:30 (夏時間) |
2020年8月7日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年9月4日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年10月2日 (金) | 21:30 (夏時間) |
2020年11月6日 (金) | 22:30 (冬時間) |
2020年12月4日 (金) | 22:30 (冬時間) |

夏時間・冬時間の切り替え時は、発表時間に要注意ですね
雇用統計発表時にFX取引する際の注意点
雇用統計発表時は、スリッページが起こりやすく、スプレッドも広がりやすいので要注意です。
2018年3月に矢野経済研究所が調査したところ、雇用統計発表時に約定率が100%のFX会社はサクソバンク証券だけだったという衝撃的な結果となりました。
この調査は、値動きが激しくなる3月の米国雇用統計発表時(日本時間2018年3月10日22時30分前後)に合わせて行われた。
調査対象は、ナロースプレッドでレートを提供している有力FX会社4社。調査の方法はマーケット注文(ストリーミング)で、1取引あたり10万通貨単位の米ドル/円、ユーロ/米ドルを、買(新規)⇒売(決済)、売(新規)⇒買(決済)の両建てで繰り返すというもの。
スリッページは1pipに設定し、各社共、ペアごとに66回ずつ取引を行い、雇用統計の指標発表時を基準に、発表前30秒、発表後の3分間と6分間に区分し、発表前30秒と発表後3分間は約定率と配信レートを、発表前30秒と発表後3分間、6分間は約定率を調査した。
その結果、すべての取引で約定率が100%だったのはサクソバンク証券1社だけだった。
また、スプレッドも「0.3銭原則固定」の業者より狭かったことが分かっています。
実は「スプレッド原則固定」の業者がスプレッドを固定しているのは、あくまで「原則」。
雇用統計発表時のように為替レートが急激に変動している場合、スプレッドが大きく開いている可能性があるのです。
ただし!大きなトレンドが発生しているときにヘタに手を出すと、大やけどする可能性もあります。
雇用統計発表時は、欲張って新たにポジションを保有するのは避けておくのがおすすめですよ。
米国・雇用統計まとめ
- 雇用統計とは、毎月第1金曜日に発表されるアメリカの重要指標のこと
- 「非農業部門雇用者数」と「失業率」が特に注目度が高い
- 情報取集は外為どっとコムが便利
雇用統計以外の経済指標やその活用法については、「FXに役立つ!経済指標・イベントカレンダー【リアルタイム更新中】」をご覧ください。
また、ファンダメンタルズ分析に関してはこちらのページへどうぞ!